7月26日(水)に、探究科学科1年の80名が生物班、地学班、歴史班、地理班の4班に分かれ、「立山の自然を科学的に学ぶとともに、立山の歴史にふれ、郷土の自然や文化を慈しむ心を育てる。」ことを目的に、立山実習を行いました。

《実習内容》

【生物班】
立山実習1

室堂での観察

室堂、ブナ坂、弥陀ヶ原、大観台で、優占する樹木の胸高直径と樹高の計測および出現する植物の種類の記録を行いました。標高によって生育する樹木の種類と森林タイプが変化することや、樹種を区別する観点を知ることで個々の植物間で数多くの違いがあることを学びました。今回の実習では、立山の植生についての知識をさらに深めることができ、自然条件の違いで植生が変わり、景色がガラッと変わることが印象的でした。

【地学班】
立山実習2

大転石の測定

常願寺川沿いの大転石の測定や標高と気圧、沸点の関係性について調べました。大転石とは昔、川の氾濫で流れてきた巨大な石です。実習ではこの石の体積を求めました。また、標高の変化に伴った気圧と沸点の変化も調べました。今回の実験では標高が高くなるにつれ、気圧は下がり、また沸点も低くなるという結果が得られました。

【歴史班】
立山実習3

立山曼荼羅

立山博物館で、立山の自然と歴史を学び、遥望館で布橋灌頂絵を疑似体験しました。その後、立山曼荼羅について詳しい解説を聞き、立山曼荼羅から当時の人々の世界観を読み解きました。弥陀ヶ原では、美女杉、餓鬼の田など立山曼荼羅に描かれている世界を実際に見学し、立山信仰についての理解をさらに深めました。

【地理班】
立山実習4

小水力発電所内部

常願寺川流域の概観、小水力発電所施設の見学、有峰ダムの見学を行いました。今回の実習では特に小水力発電の可能性を探るというテーマのもと活動しました。この写真は富山市にある「東町東新町公民館小水力発電所」の内部の様子です。今回の実習では、小水力発電の利点は「流水さえあれば安定して発電できる」「小水力発電は急流河川や水量の多い富山に適している」ということだとわかりました。逆に欠点として、「まだ技術的に確立されていないこと」や「定期的にメンテナンスが必要だということ」があることがわかりました。