平成30年7月24日(火)に、探究科学科1年の80名が生物班、地学班、歴史班、地理班の4班に分かれ、「立山の自然を科学的に学ぶとともに、立山の歴史にふれ、郷土の自然や文化を慈しむ心を育てる」ことを目的に、立山実習を行いました。

【生物班】

立山実習1

室堂での観察

美女平、室堂、弥陀ヶ原、大観台で、優占する樹木の樹高計測および出現する植物の種類の記録を行いました。標高によって生育する樹木の種類と森林タイプが変化することや、樹種を区別する観点を知ることで個々の植物間で数多くの違いがあることを学びました。今回の実習では、立山の植生についての知識をさらに深めることができ、自然条件の違いで植生が変わり、景色がガラッと変わることが印象的でした。

【地学班】

立山実習2

大転石の測定

立山をつくる岩石(花崗岩類)と、弥陀ヶ原をつくる岩石(安山岩質溶岩)を室堂山から観察しました。また、室堂からみる氷河地形、水蒸気爆発でできたミクリガ池、噴気をあげる弥陀ヶ原火山等をじっくりと観察しました。今までとは違った視点をもつと、立山の見え方が変わることが驚きでした。その他にも、常願寺川沿いの大転石の体積測定や標高ごとの気圧、沸点の測定を行い、その関係性について調べました。

【歴史班】

立山実習3

立山曼荼羅絵解き体験

立山博物館で、立山の自然と歴史を学び、立山曼荼羅の絵解き体験もしました。立山曼荼羅を題材に、当時の宗教、文化、政治等を幅広く学ぶことが出来ました。弥陀ヶ原では、餓鬼の田など立山曼荼羅に描かれている世界を実際に見学し、立山信仰が自然と深く結びついていることを実感し、さらに理解を深めました。これまで意識することなく見ていた立山の奥深さに触れ、新しい視点で「立山」を考えることができました。

【地理班】

立山実習4

太陽光発電の仕組みを体験

太陽光発電所、小水力発電施設、有峰ダムを利用した水力発電所の見学を行いました。今回の実習は、再生可能エネルギーの可能性を探りつつ、エネルギーのベストミックスを考えるというテーマのもと活動しました。太陽光発電は、設備を設置すればメンテナンスは容易だけれども、日照時間の短い北陸では発電効率が低いこと、小水力発電は、流水さえあれば安定して発電でき河川や水量の多い富山に適しているが、設置費用が高く、まだ技術的に確立されていないことなどを学びました。

 

7月26日(木)には事後研修として、班毎にポスターを作成して発表を行い、研修内容を共有しました。